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漫画「できても、できなくても」をネタバレ解説
主人公・桃生翠(もものう すい)は、結婚を前提としたつき合いをしていた男性との将来を控えていた矢先、「妊娠できないかもしれない(不妊症)」という診断を受けてしまいます。その診断をきっかけに、彼女は婚約破棄をされるだけでなく、職場でも居場を失い退職することに。
心身ともに傷ついた翠は、偶然出会った年下の男性・月留真央(つきどめ まお)と接点を持ち、新たな関係を築いていきます。しかし、道は平坦ではありません。翠は自分が前に進むことの葛藤、真央との関係、過去の痛み、不妊である自分という現実をどう相手に打ち明けるか、周囲からの誤解や嫉妬、ライバルの出現など、数々の試練に直面します。
吉永
吉永
できても、できなくても 主な登場人物は?
🌸 桃生 翠(もものう すい)
本作の主人公。30歳前後のデザイン会社勤務の女性。
穏やかで控えめな性格だが、心の奥に強い意志を秘めている。
かつて結婚を約束した恋人がいたが、「妊娠できないかもしれない」という医師の診断をきっかけに婚約破棄されてしまう。
その後、職場でも噂が広まり、居場所を失って退職。心身ともに疲弊していたところで、偶然出会った年下の男性・月留真央と少しずつ心を通わせていく。
最初は「もう恋愛なんてしたくない」と思っていたが、真央のまっすぐな優しさに触れるうちに、再び“誰かを信じたい”と思えるようになる。
💬「できても、できなくても──私は私のままで、生きていきたい。」
そんな彼女の言葉が、作品全体のテーマを象徴している。
🌙 月留 真央(つきどめ まお)
翠の新しい恋の相手。建築士を目指す年下男性。
外見は爽やかで人当たりが良いが、内面はとても芯が強く誠実。
偶然、雨の中で泣いていた翠を助けたことから親しくなり、
年齢差を超えて本気で彼女を想い始める。
翠の「不妊症」の告白を受けても決して拒絶せず、
💬「子どもがいなくても、俺はあなたと生きていきたい」
とまっすぐ伝える名シーンは、多くの読者の涙を誘う。
彼の存在は、翠にとって“もう一度、生きる勇気をくれた光”そのもの。
🍃 元婚約者・田嶋 亮(たじま りょう)
翠の元婚約者。表向きは誠実そうだが、実際には自分の立場や世間体を重んじるタイプ。
翠の不妊の診断を知った途端、結婚を一方的に破棄してしまう。
その後、翠が真央と幸せそうにしている姿を見て、
“失ったものの大きさ”に気づくも、もう遅い。
彼の存在は、翠の“過去の痛み”を象徴する人物として描かれる。
☕ 綾(あや)
翠の親友であり、元同僚。
失恋後も落ち込む翠を支え続ける良き理解者。
時に厳しく、時に温かく、翠に現実を見つめる言葉を投げかける。
「子どもがいなくても、愛される価値はあるよ」という彼女のセリフが印象的。
🏢 月留 大地(つきどめ だいち)
真央の兄。建築事務所を経営している。
弟の恋を静かに見守りながら、翠の人柄にも理解を示す包容力のある人物。
吉永
作者「朝日奈ミカ」さんとは?
朝日奈ミカ(あさひなミカ)は、主にコミックシーモア(Cmoa)で活躍している人気漫画家です。代表作は『できても、できなくても』で、恋愛と現実の間で揺れる大人の女性の心情を丁寧に描く作風が特徴です。
彼女の作品は、恋愛の甘さだけでなく、結婚・妊娠・キャリア・自己肯定感といった“リアルな女性の悩み”をテーマにしていることが多く、読者の共感を呼んでいます。
代表作『できても、できなくても』は、妊娠をめぐる女性の葛藤を描いた話題作です。32歳の主人公が「不妊症かもしれない」と告げられ、結婚を目前に恋人から裏切られるという衝撃的な導入から始まり、傷つきながらも新しい愛と人生を見つけていく姿がリアルに描かれています。
この作品はシーモアで独占・先行配信され、21巻で完結。多くの女性読者に支持され、2025年10月には宇垣美里主演、山中柔太朗共演でテレビ東京にて実写ドラマ化されることが決定しました。
朝日奈ミカはSNS(X/旧Twitter)でも活動しており、作品情報や制作の裏話を発信しています。投稿の文体からは温かく柔らかい人柄が感じられ、ファンとの交流も大切にしている様子がうかがえます。
作風としては、登場人物の感情描写が細やかで、セリフの一つひとつにリアリティがあります。恋愛マンガでありながらも“人生の選択”を真正面から描くスタイルが特徴的で、「恋するソワレ」「恋するソワレ+」などのレーベルで継続的に作品を発表しています。
総じて、朝日奈ミカは「大人の女性のための共感系恋愛マンガ」を得意とする作家であり、今後も映像化や新作に注目が集まる注目の漫画家といえます。
できても、できなくても ネタバレあらすじはこちら
1話 | ||
第1話ネタバレ
――「愛している。でも、子どもができないかもしれない。それでも、私を愛せますか?」
主人公・桃生翠(もものう すい)は、30歳前後のデザイン会社に勤める女性。
穏やかで真面目な性格で、恋人の田嶋亮とは結婚を前提に交際していた。仕事も順調で、周囲から見れば「幸せな人生を歩んでいる女性」に見えていた。
しかしある日、婦人科で受けた検査の結果、医師から思いもよらない言葉を告げられる。
――「あなたは妊娠しにくい体質です」
翠は愕然としながらも、正直に亮へそのことを打ち明けた。だが、彼の反応は冷たかった。
最初は「大丈夫」と笑っていた彼も、次第に態度が変わっていく。
「子どもができない結婚なんて考えられない」
その一言で、翠の心は粉々に砕かれた。婚約は破棄され、長年築いてきた信頼も愛情も、一瞬で失われた。
さらに追い打ちをかけるように、職場でその話が噂となり、彼女は気まずさの中で退職を選ぶ。
居場所を失い、未来も見えなくなった翠は、ただ静かに日々をやり過ごすしかなかった。
そんなある雨の日、道端で立ち尽くす翠に、傘を差し出した一人の青年がいた。
月留真央(つきどめ まお)――年下の建築士志望の青年。明るくて優しい笑顔を見せる彼は、翠の沈んだ心を自然に軽くしてくれた。
最初はただの偶然の出会いだった。
けれど、偶然が二度、三度と重なり、やがて二人は少しずつ距離を縮めていく。
真央は年下ながら、芯の通ったまっすぐな性格で、翠を“特別な人”として大切に扱った。
彼のまっすぐな視線、何気ない気遣い、優しい言葉に、翠の心は次第にほぐれていく。
だが、翠の中にはどうしても消えない恐れがあった。
「私は“できない女”だ。彼に知られたら、また失うかもしれない」
過去の傷が、彼女を再び臆病にさせていく。
一方、真央はそんな翠の不安を感じ取りながらも、決して焦らせず、ゆっくりと彼女の心のドアを叩き続けた。
「大丈夫。俺は、翠さんが“できるかどうか”なんて関係ない。あなたが生きてるだけで、俺には十分です」
――その言葉で、翠は涙をこぼした。
やがて、翠は勇気を出して真央に“自分のすべて”を打ち明ける。
子どもを持てないかもしれないという現実、元婚約者に拒絶された過去。
けれど真央は、そのどれも否定せず、彼女を優しく抱きしめる。
「じゃあ、“できなくても”一緒に生きていこう。」
その瞬間、翠の止まっていた時間が再び動き出す。
二人は互いに支え合いながら、ゆっくりと未来へ進んでいく。
真央は自身の夢である建築事務所を立ち上げ、翠も再びデザインの仕事に復帰。
彼女はようやく、自分の人生を「誰かに選ばれるもの」ではなく、「自分で選び取るもの」として歩み始める。
物語のラストでは、夕暮れの中で二人が手をつなぎながら歩く姿が描かれる。
子どもがいても、いなくても。
何かが“できても”“できなくても”。
愛する人と共に生きていくことこそが、人生の本当の幸せだと気づかせてくれる――そんな優しくも強い結末となっている。
感想
主人公の翠さん、最初はほんとにボロボロ。
婚約破棄、不妊の診断、職場での噂……「こんなに不幸って重なる!?」ってくらいの試練続き。
だけど、彼女は泣きながらも“ちゃんと生きてる”。
そこがもう、読者の心を掴む。
しかも作者の朝日奈ミカ先生、描写が丁寧でエモい。
“沈黙の間”や“泣き顔の静かなコマ”が本当にうまい。
感情がセリフじゃなく「空気」で伝わってくる。
読むうちに、「ああ、私もこんな風に傷ついたことある…」って、まるで翠の心の痛みが自分のことみたいに感じられるんですよね。
で! ここからが本作の本領発揮!
登場する年下彼氏・真央くんが、もう…最高。
「少女漫画の理想を現実にしたらこうなる」ってレベルの良い男。
彼は翠を“守る”んじゃなくて、“支える”。
「できる・できない」なんて気にせず、翠の“存在そのもの”を愛してる。
その姿勢が尊すぎて、全読者が「真央くん株爆上がり」状態。
💬「できなくてもいい。俺は、翠さんと生きたい」
このセリフ、ほんと名言。
地味に泣ける。派手じゃないのに、真っ直ぐ刺さる。
後半に進むほど、この作品は“愛とは何か”を問い直してくる。
「子どもができることが幸せなの?」
「結婚って、何を選ぶことなの?」
社会が押しつける“幸せのかたち”を、静かに壊してくるんですよ。
でも、説教くさくない。むしろ読後感はすごく温かい。
“できなくても幸せになれる”というメッセージが、優しく心に残ります。
涙も出るけど、同じくらい“前を向く力”が湧いてくる漫画。
翠が自分を責めていた頃の表情と、最後に笑っている顔の対比がエモすぎる。
それだけでご飯3杯いけます。
そして、真央くんの存在がまさに「救済」。
“ヒーロー”というより“灯り”。
大人の恋愛に必要なのは、劇的な展開じゃなく、
「寄り添う優しさ」なんだなと気づかされます。
吉永
できても、できなくても 最終回の結末予想
💫 結末予想①:ふたりの「選択」と「覚悟」
物語の最終盤では、真央の独立(建築事務所設立)と、翠の再就職(デザイン復帰)が進行。
それぞれが“個人としての夢”を掴みながら、恋人としての関係を成熟させていきます。
そして――
真央からのプロポーズシーンが訪れる。
💬「子どもができても、できなくても。俺は翠さんと生きたい。」
かつて「できない」と言われて婚約を破棄された翠が、
今度は“できなくても愛される”と実感する瞬間です。
この言葉を聞いた翠は、涙を流しながらも静かに微笑み、
「私も、あなたと生きていきたい」と答える――。
そんな穏やかで温かいプロポーズエンドになる可能性が高いでしょう。
💫 結末予想②:奇跡ではなく「日常」で終わる
多くの恋愛漫画なら、最後に「妊娠しました!」という奇跡を起こしがちですが、
本作はあえて“奇跡”ではなく“現実”を選ぶタイプの物語。
だからこそ、最終回は「できた・できなかった」ではなく、
「今日も一緒にご飯を食べて笑っている」――
そんな何気ない日常の風景で締めくくられると予想されます。
🍳 朝、コーヒーを淹れながら笑う翠。
その隣で、真央が何気なく「行ってきます」と微笑む。
セリフも少なく、静かな余韻のあるラスト。
でもその表情には、「できても、できなくても幸せだ」と書かれている――
そんな“日常の奇跡”で終わるのが、朝日奈ミカ先生らしい締め方です。
💫 結末予想③:元婚約者との「最終対面」
最終話では、翠の過去の清算として、
元婚約者・田嶋亮との再会シーンが描かれる可能性もあります。
久々に顔を合わせた亮は、過去の自分の発言を後悔している。
「お前は強くなったな」と呟く彼に対し、翠は静かに笑って言う。
💬「あの時は痛かった。でも、あれがあったから今の私がいる。」
この一言で、翠の“過去への決別”と“新しい自分の誕生”が明確になります。
そしてその背後には、真央が待っていて――
翠が振り返り、真央と手をつなぐ。
その瞬間、読者は「彼女は本当に救われた」と感じるはずです。
💫 結末予想④:タイトル回収のラストモノローグ
ラストページには、翠のナレーションが入ると予想されます。
💬「できても、できなくても――私は私。
そしてあなたが隣にいる限り、それでいい。」
このモノローグこそ、タイトルの意味を最も美しく回収するもの。
「できる」「できない」という条件を超えて、
“生きること・愛することそのもの”を肯定するラストは、
まさにこの作品のテーマにふさわしい締めです。
吉永
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