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漫画「終われなかった恋の話」をネタバレ解説
プロカメラマンの壬生は、後輩の結婚式で泥酔し、目覚めると見知らぬ温泉宿にいた。そこは、十年前に音信不通になった親友・筒美が継いだ宿だった。
壬生がスランプに陥っていることを知った筒美が、気晴らしにと壬生を連れてきたのだ。
学生時代、酔った勢いで迎えた初夜の失敗をきっかけに疎遠になった二人だったが、筒美はあの頃の気まずさを感じさせることなく、柔らかく微笑む。
吉永
終われなかった恋の話 主な登場人物紹介
◆ 壬生(みぶ)
30代前半のプロカメラマン。かつては輝かしい実績を誇っていたが、現在はスランプに陥り、思うように作品を撮れなくなっている。仕事に対して真面目で情熱的だが、感情表現が不器用な一面も。後輩の結婚式で泥酔し、目覚めたら筒美の温泉宿にいた。大学時代から筒美に密かに想いを寄せていたが、過去の出来事で距離ができてしまったことを今も後悔している。
◆ 筒美(つつみ)
壬生の大学時代の親友で、現在は実家の温泉宿を継いでいる。朗らかで気配りができ、どこか達観したような落ち着きがある人物。学生時代、壬生との関係が一夜の失敗をきっかけに気まずくなり、音信不通だったが、再会しても過去を感じさせない柔らかな笑みで壬生に接する。壬生のスランプを見抜き、彼を宿に招いたのには何か思惑があるようだが、その本心は謎めいている。
吉永
作者「小木カンヌ」さんとは?
小木カンヌは、主にBL(ボーイズラブ)作品を手掛ける日本の漫画家です。彼女の作品は、コミックシーモアなどの電子書籍サイトで読むことができます。代表作には以下のものがあります。
終われなかった恋の話
プロカメラマンの壬生が、10年ぶりに再会した親友・筒美との関係を描く作品です。学生時代の未完の恋を再燃させるストーリーが魅力です。
あいちゃんはあえぎ声がうるさい
無表情な後輩・古賀と、他人の感情を感じ取れる先輩・沖谷の関係を描いた作品です。独特の設定とキャラクターの掛け合いが好評を博しています。
報われない恋の占い方
恋愛に悩む人々の心情を繊細に描いた作品で、占いをテーマにしたストーリーが展開されます。感情の機微を丁寧に表現しています。
触れたとこからキモチいい
他人の感情をオーラとして感じ取れるサラリーマン・沖谷と、無表情な後輩・古賀の関係を描いた作品です。全5巻で完結しています。
おまえは私の妻になれ
タイトルからもわかるように、強引なアプローチをするキャラクターと、それに翻弄される相手との関係を描いた作品です。シーモア限定の描き下ろし付きで配信されています。
これらの作品は、コミックシーモアなどの電子書籍サイトで購入・閲覧が可能です。また、小木カンヌはX(旧Twitter)上でも活動しており、最新情報や作品の進捗を発信しています。彼女の作品は、繊細な心理描写と独特のキャラクター設定が特徴で、多くの読者から高い評価を受けています。
終われなかった恋の話 ネタバレあらすじはこちら
1話 | ||
第1話ネタバレ
目が覚めた瞬間、壬生は天井を見つめた。木の香りが鼻をくすぐる。見慣れない天井だった。視線を巡らせると、畳の部屋に布団。どうやら温泉宿のようだ。
「……ここは?」
頭が重く、思考が鈍い。昨夜の記憶が霞んでいる。確か、後輩の結婚式で飲み過ぎたのだ。
障子が静かに開き、見覚えのある男が顔を覗かせた。
「やっと起きたか。相変わらず飲み方が下手だな、壬生。」
その声に心臓が跳ねた。筒美。十年ぶりの親友。
「……筒美?」
戸惑いが声に滲む。大学時代、あの夜を最後に連絡を絶ったはずの男が、そこにいた。あの気まずさも、距離も、まるでなかったかのように、筒美は微笑んでいた。
「スランプだって聞いたからさ。たまには羽を伸ばせってことで、ここに連れてきたんだ。」
壬生はカメラマンとして名を馳せたが、最近は撮るものすべてが霞んで見えた。スランプ。誰にも言っていないはずのその言葉を、筒美は自然に口にする。
違和感が胸に引っかかった。だが、その柔らかな笑みに抗えなかった。
筒美が継いだというこの宿。変わらぬ仕草と、どこか大人びた瞳。壬生の胸の奥で、十年前に置き去りにした感情がじわりと熱を帯びる。
(まだ、筒美が好きだ)
その事実に気づいた瞬間、壬生は決意した。
「……なあ、筒美。今度こそ、やり直さないか?」
筒美はふと視線を外し、静かに笑った。その微笑の裏に隠されたものに、壬生はまだ気づいていなかった。
感想
まるで湯気の立ちのぼる温泉のように、じんわりと心が温まる物語ですね!十年の時を経て再会した壬生と筒美。気まずさなんてどこへやら、筒美の微笑みはまるで温泉宿の名物女将のように包容力満点。
しかし、その笑顔の裏には何やら秘密の隠し味が…?スランプに沈むプロカメラマンと、謎めいた親友が織りなす恋のリトライ、これはもう心のシャッターを切るしかない!
吉永
終われなかった恋の話 最終回の結末予想
壬生は筒美との再会をきっかけに、心の奥底にしまい込んでいた想いと向き合い始める。しかし、筒美が微笑みの裏に隠していた秘密が徐々に明らかになっていく。
実は、筒美が壬生を宿に招いたのは、単なる気晴らしではなかった。宿の経営は厳しく、父の他界後、家業を守るために奔走していた筒美。しかし、宿の存続には限界が迫っていたのだ。筒美は壬生の写真家としての力を借り、宿の魅力を発信することで再生を図ろうとしていた。壬生のスランプを知りつつ、彼の再起も願っていたのだ。
壬生は筒美の想いを知り、宿の撮影に本気で取り組むことでスランプを脱していく。筒美もまた、壬生と再び時間を重ねる中で、過去のすれ違いや自分の弱さに向き合い始める。
そして迎えた宿のリニューアルイベントの日。壬生が撮った写真が地元メディアやSNSで話題となり、宿には多くの客が訪れるようになる。宿の未来が明るくなったことで、筒美もようやく肩の力を抜き、素直な気持ちを壬生に伝える決心をする。
壬生もまた、カメラ越しではなく、真正面から筒美に向き合い、こう告げる。
「今度こそ、君の隣で未来を撮っていきたい。」
筒美はふっと微笑み、静かにうなずく。
温泉宿の湯けむりの向こう、二人の新たな物語が静かに、でも確かに始まる——。
ラストカットは、宿の縁側でカメラを片手に笑い合う二人の姿。
その瞬間を収めた写真には、「未来へ」というタイトルがそっと添えられている。
吉永
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