目次
漫画「愛する人は他にいると言った夫が、私を離してくれません」をネタバレ解説
メイナードは国王の血を引く王子であり、文武両道、誰もが認める天賦の才を持っていた。しかしその出生は複雑で、神に誓われた正妃ではない女性との間に生まれた“婚外子”。そのため周囲との距離は常にあり、孤独と共に育った。
彼は国王の配慮でベッドフォード公爵家に養子に出され、社交界にも参加するが、人付き合いが苦手な彼の振る舞いは「変わり者」とされ、同世代からはますます敬遠されてしまう。
そんなある日、一人の少女と出会い、レースやお菓子の話で心が通じ合った。しかし別れは突然で、名前も聞かぬまま、その少女とはそれきりとなった。
吉永
愛する人は他にいると言った夫が、私を離してくれません 主な登場人物紹介
👑メイナード
王太子の座に最も近い、才能に満ちた王族の青年。
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国王の庶子(婚外子)として生まれ、全てにおいて優秀ながらも、人付き合いが極端に苦手。
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幼い頃、心を通わせた“ある少女”を12年経った今も忘れられず、密かに探し続けている。
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王族であるがゆえの責任と孤独を抱えながら、まっすぐで誠実な性格。
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一件の誤解からセラフィーナと契約結婚をすることになる。
💬「あの時、確かに誓ったんだ。…君を、忘れないと。」
🌸セラフィーナ=グロブナー
領主代行として政務を担ってきた、聡明で芯のある伯爵令嬢。
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幼少期に両親を亡くし、感情を押し殺しながら領地を守ってきた苦労人。
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夜会でメイナードの窮地を救い、密会騒動をきっかけに契約結婚を受け入れる。
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実は12年前、メイナードと出会っていた“あの少女”その人。
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周囲には強く振る舞うが、本当は繊細で優しい心の持ち主。
💬「あの時の少年が、まさか…貴方だったなんて、知らなかった。」
👵王太后メアリ
メイナードの祖母にして、恋と政略に明るい“スーパーおばあ様”。
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頑固で鋭くも愛情深く、メイナードの相談相手。
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密会事件に悩む孫に対し、あっさり「結婚しなさい」と一言で背中を押す豪快さ。
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物語のキーパーソンとして、2人の関係を陰ながら見守る存在。
💬「いいじゃない、結婚すれば。…それが一番早いわよ。」
🧑💼キース
セラフィーナの遠縁の青年で、政務の補佐をしてきた支え役。
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セラフィーナの政務を裏から支える、優しく頼れる存在。
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恋愛面では一歩引いて見守っており、彼女の幸せを願っている。
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まるで兄のような立ち位置だが、実は…?
💄アンナマリナ・ノースクリフ
社交界の花形だが、裏ではトラブルの火種に。
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ノースクリフ公爵の娘で、美しく社交界では注目の的。
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しかし裏ではメイナードに麻薬を盛るという事件に関わり、波乱の引き金に。
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セラフィーナとの“誤解された密会現場”に鉢合わせし、大騒動を引き起こす。
吉永
作者「春日部こみと」さんとは?
春日部こみと(かすかべ こみと)さんは、日本のライトノベル作家・漫画家で、主に乙女系小説やティーンズラブ(TL)ジャンルの作品を手がけています。彼女は原作・シナリオ担当としても活動しており、漫画家のウエハラ蜂さんや咲宮いろはさんといった作家と組んで、作品のコミカライズも行っています。
主な作品と特徴
春日部こみとさんの作品は、異世界やファンタジー、政略結婚、御曹司との恋愛などをテーマにしたものが多く、読者からは「甘くて切ない」「ドキドキする」といった感想が寄せられています。また、彼女は自身の作品の続編やスピンオフを執筆することもあり、ファンからの期待も高い作家の一人です。
彼女の作品は、コミックシーモアやebookjapanなどの電子書籍サイトで多数配信されており、特に「三年後離婚するはずが、なぜか溺愛されてます」や「偽りの王の想い花」などが人気を集めています。
SNSでの活動
春日部こみとさんは、X(旧Twitter)やInstagram、ThreadsなどのSNSでも積極的に活動しており、新刊の情報や執筆の裏話、イラストの公開などを行っています。例えば、Xでは「愛する人は他にいると言った夫が、私を離してくれません」などの作品に関する投稿をしています。
彼女のSNSアカウントは以下の通りです:
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X(旧Twitter):@kohitotetsuarei
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Instagram:@kasukabekomito
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Threads:@kasukabekomito
これらのアカウントでは、最新情報やファンとの交流が行われています。
まとめ
春日部こみとさんは、乙女系小説やTLジャンルを中心に活躍する作家で、原作・シナリオ担当としても多くの作品を手がけています。彼女の作品は、甘く切ない恋愛模様やファンタジー要素が魅力で、SNSを通じてファンとの交流も大切にしています。新刊や続編の情報は、彼女のSNSでチェックすることができます。
愛する人は他にいると言った夫が、私を離してくれません ネタバレあらすじはこちら
1話 | 2話 | 3話 |
第1話ネタバレ
メイナードは、国王の血を引く子であった。学問、武芸、礼儀作法――あらゆる分野において非凡な才能を示し、周囲の期待を一身に背負う存在だった。
だが、その出生には影があった。彼は、神の前で誓った正妃との間に生まれた子ではない。王の「婚外子」――その事実ひとつで、彼は王宮において常に居場所を失っていた。血統と才能に恵まれていながら、人との距離をうまく詰められず、いつも孤独だった。
同世代の子どもたちからは、目に見える才能を妬まれ、素性を蔑まれ、まるで腫れ物のように扱われていた。
そんなある日、国王の計らいによって、メイナードはベッドフォード公爵家に養子として迎え入れられることとなる。公爵は彼に新しい人生の可能性を与えようと、社交界への参加を勧めた。初めての交流会。メイナードはそこで自分なりに努力をしようとした。だが――あまりにも頑張りすぎてしまった。その振る舞いは周囲に奇異に映り、ますます彼は疎まれる存在となってしまった。
そんな彼の前に、一人の少女が現れる。
少女は彼の話に耳を傾け、誰も話題にしてくれなかった「レース」について楽しそうに語り合ってくれた。そして、こう言ったのだ。
「みんな、あなたのことが怖いから、わからないから、悪く言うんだよ。」
その言葉は、メイナードの胸に深く突き刺さった。理解されたことなどなかった彼にとって、それは生まれて初めて受け取った「救い」だった。
彼女とクッキーを食べながら過ごした短いひとときは、何にも代えがたい宝物となった。だが、別れのときはあまりにあっけなかった。そのまま彼女とは二度と会うことはなかった――
しかし、十二年の歳月が流れても、メイナードはあの少女を忘れることができなかった。彼はあらゆる手を尽くして彼女を探したが、手がかりは掴めず、それでも希望を手放すことはなかった。
一方そのころ、政務を代理でこなしていたグロブナー伯爵令嬢――セラフィーナは、ある使命を果たすため王都へとやって来ていた。彼女はその夜、華やかな夜会に招かれることとなる。
そこは、運命が再び動き始める場所だった。
感想
これは、”孤独の王子”と”一瞬の出会いにすべてを賭けた男”の、長すぎる初恋ストーリー――!
まず、メイナードのキャラが尊すぎる。才能はあるのに周囲から浮きまくってて、しかもその原因が「生まれながらの立場」って…いや、現代なら完全に拗らせ系美形男子ポジションです。それでも「好かれたい」って思って頑張る姿が痛々しくも健気で、うっかり母性くすぐられます。
交流会で空回りして、より嫌われるってもう…笑っていいのか泣いていいのか…(いや、笑ったけど)。でもそこに颯爽と現れる少女!名前すら知らぬ運命の少女!彼女の一言が、刺さる刺さる。
「わからないから悪く言う」って、なんて優しいんだ…!きっと当時のメイナードには、女神降臨レベルの衝撃だったに違いない。
しかもそれから12年。ずっと彼女を想い続ける純愛一途ぶり!もう君、王子じゃなくて”一途界の神”だよ。情報だけで探そうとするあたり、ストーカー手前なのに全然嫌悪感がないのは、彼が不器用すぎてむしろ応援したくなるから不思議。
そしてついに登場するヒロイン、セラフィーナ嬢!この人がまた有能すぎて、ただの恋の再会劇では終わらない予感しかしない。
吉永
第2話ネタバレ
夜会の会場には、豪奢な装飾と華やかな笑顔が満ちていた。だが、その空間に立つセラフィーナの表情は、どこか冷めていた。
どの貴族も、誰一人として本音を語ろうとはしない。言葉はすべて、虚飾と建前のベールをまとっていた。笑顔の裏にある本心を読み取ることに、彼女はもう疲れていた。
(――やはり、私には向いていない)
ふと、そんな思いが胸をよぎる。
彼女は、たった六歳で両親を亡くした。涙を流す暇もなく、幼い身でグロブナー伯爵家を背負わねばならなかった。政務をこなす日々の中で、支えとなったのは、遠縁の青年・キースの存在だった。彼の助けがなければ、何も成し遂げられなかったと今でも思う。
だからこそ、セラフィーナは「自分ひとりの力で立ちたい」と願った。感情を削り落とし、冷静さだけを盾にして歩いてきた。
――だが今、その感情を削ぎ落とした心は、ぽっかりと空虚なままだった。
帰ろう、と彼女は思う。何も得るもののない夜会に、これ以上居続ける意味を見出せなかった。
そんな時、不意にある名前が脳裏をよぎった。
(メイナード…)
顔を合わせることはなかったが、彼が国王の庶子でありながら、いまや有力な貴族となっているという噂は聞いていた。昔、遠くから何度か見かけただけの少年。その記憶は曖昧だが、不思議と胸に残っている。
――その矢先、会場の片隅から不穏な話が耳に入る。
ノースクリフ公爵とその娘・アンナマリナが、誰かに薬を盛ったらしい。最初は関わるまいと背を向けかけたが、盛られた相手の名を聞いた瞬間、彼女の心に鋭い警鐘が鳴った。
「……メイナード、ですって?」
すぐさま彼のいる部屋へと駆けつける。部屋の中では、確かにメイナードが苦悶の表情を浮かべていた。薬の作用が出始めているのだろう。額には汗が滲み、意識は朦朧としていた。
その視界の中、彼はひとつの声を聞く。
「大丈夫、すぐに薬を持ってきますから」
優しく、どこか懐かしい声。あの少女と過ごした日、クッキーを頬張りながら聞いた、あの声だ。メイナードの心が、不意にざわめいた。
セラフィーナは、急いで彼をベッドへと運び、冷やした布で額を拭きながら鎮痛剤を取り出した。
「これを……飲んでください」
差し出した瞬間、メイナードの身体が前のめりに倒れ込んできた。反射的に受け止めた彼の重さに、セラフィーナはベッドに押し倒される形となる。
その瞬間――
「きゃっ、なにやってるの!?」
扉を開けたアンナマリナと数人の取り巻きたちが、驚愕の表情で立ち尽くしていた。
まるで、セラフィーナがメイナードに襲いかかったかのような構図に、部屋の空気が一瞬で凍りついた。
セラフィーナは息を呑んだまま、メイナードの寝息を聞きながら、静かに覚悟を決めた――今夜、自分の人生が少しだけ変わる予感がしていた。
感想
政務スキルは一流、感情はほぼオフライン、そんなセラフィーナ嬢が夜会に爆誕――なのに周囲はお決まりの社交辞令マシーンばかりで、これはこれで地獄。貴族界の“営業スマイル大会”で、完全に浮いてるセラフィーナに共感しかない。
でも本当にびっくりするのは、彼女の過去。
え、6歳で両親亡くして、政務こなして、でも支えてくれたのは遠縁のキースだけ? そりゃ感情も削ぎ落ちますわ…。泣く暇もなかった人生って、少女漫画じゃなくて人生ハードモードすぎる。
で、帰ろうとしたところで思い出すのがメイナード。ここで彼の名前出してくるって、すでに運命の鐘が鳴ってる。鳴り止まない。
しかも次の展開がすごい。
「ノースクリフ公爵とアンナマリナが麻薬盛った? え、こわ」
→「あ、被害者メイナード」
→「え、ちょ、ちょっと待って全力で助けに行くわ!!!」
感情オフってたのに、秒速でオンに戻るセラフィーナの切り替えに、愛が漏れててニヤけが止まらない。
で、メイナードの部屋に到着したら、もう苦しんでるんですよ。朦朧としてるのに、セラフィーナの声だけはちゃんと“昔の少女”だと認識してて…いや、記憶力どんだけ精密!? 12年前のクッキータイム、どんだけ刻んでるの!?
そして極めつけがベッドイベント。
はい、倒れました。
はい、前のめりです。
はい、押し倒し(物理)です。
で、そこへタイミングよく登場するアンナマリナ一味の「なにやってんの!?」で、まさかのラブコメ大誤解爆誕!!
吉永
第3話ネタバレ
メイナードは額を押さえながら、深くため息をついた。
先日の“押し倒し事件”は、噂好きの貴族たちの格好の餌となり、瞬く間に王都の上層社会に知れ渡ってしまった。夜会で未婚の男女が密室に二人きり――しかも一人は名門令嬢。世間が騒がぬわけがなかった。
だが、メイナードが頭を抱える理由は単なる噂話ではなかった。
この国では、結婚していない男女が親密な関係になるには、形式や手続きが非常に厳しい。そうでなければ、特に女性の名誉は深く傷つけられてしまう。セラフィーナが「夜会で男に迫った」と囁かれでもしたら、政略の世界で生きる彼女にとって致命的になりかねない。
(――責任を取るには、結婚するしかない)
そう考える一方で、メイナードの中には、まだ答えの出せない葛藤があった。
セラフィーナが、十二年前に出会った“あの少女”――レースとクッキーと、優しい声の記憶の主だという確証はなかった。何より、彼の中では、その少女こそが「心に誓った唯一の人」であり、それ以外と結婚することは、自分の信念に反する気がしてならなかった。
しかし、セラフィーナの真摯な看病を、彼は忘れることができなかった。打算も損得もなく、ただ純粋に手を差し伸べてくれた彼女を、無下に扱うことなど到底できるはずがなかった。
そんな中、再びセラフィーナが彼の元を訪れた。
静かに向き合い、言葉を交わすうち、メイナードはふと彼女の瞳に、どこか懐かしい面影を見た。確証はない。だが、心の奥が小さく軋むような、あの“ときめき”だけが、妙に鮮明だった。
「祖母に相談してみる」
そう言って、彼は王太后メアリのもとを訪ねた。気難しく、しかし誰よりも情に厚い祖母は、事情を聞き終えるや否や、にっこりと微笑んで言った。
「ならば、結婚なさい。契約でも何でも、まずは彼女を守ることです」
メイナードは唇を噛んだ。まるですべてを見透かされたようだった。
そして後日、セラフィーナに提案した。
「形式的な契約結婚という形を取ろう。だが、ひとつ条件がある。…もし将来、私が“心に誓った相手”と再会したら、その時はこの結婚を解消したい」
正直な申し出だった。ずるさも、見栄もなかった。ただ、誠実であるための言葉だった。
セラフィーナは少し目を見開いたが、すぐに穏やかに頷いた。
「分かりました。それで問題ありません」
その瞬間、メイナードは思った。
――やはり彼女は、あの少女ではないのかもしれない。
それでも、どこか胸の奥が、温かくざわめいていた。
感想
まず最初に言いたい。
メイナード、脳内会議しすぎ問題!!!(笑)
いやね、分かるよ?この世界の貴族社会って、男女の接触ひとつで「貞淑がどうの」「名誉がああだ」ともう大騒ぎ。
密室でベッドイベント(未遂)起こしてしまった今、セラフィーナの名誉は紙一重状態。
だからこその「結婚すれば全部チャラ理論」になるわけだけど――
メイナードの煮え切らなさが、もう可愛すぎる!!!
「でも彼女が“あの少女”じゃなかったら…オレ、誓い破っちゃう…」
いや、それ、12年も前のクッキーの記憶だよ!?どんだけピュアで頑固なの!?
普通は顔が変わったり声が変わったりで「あれ?」ってなるのに、彼は心の音色だけで探してるんだよ!恋愛レーダー精度高すぎん?
そしてそんな彼をさらに翻弄する、王太后メアリ様。
メイナードのモヤモヤ相談を受けたと思ったら、秒で
「じゃあ結婚なさい。契約でも何でも」
ってスパーン!!
この人、最強の恋愛促進装置か?!
で、いよいよ契約結婚の申し出。
「いつか俺の心に誓った人が現れたら別れてください」
って、普通ならショック受けるやつなのに…
セラフィーナ「分かりました」
って、即答!?しかも涼しい顔!!
お互い感情無さそうなふりして、内心めちゃくちゃ複雑じゃない!?ねぇ!?
なのにメイナード、勝手に「うん、じゃあこの人は“あの少女”じゃないな」って納得してるし!
その少女、今ベールの下で感情抑えて演技してる可能性あるよ!もっと気づいて!!(読者の叫び)
もうこれ、「すれ違い」と「運命の再会」が一緒に走ってるせいで、胸キュンとニヤニヤが同時発生して情緒が忙しい。
吉永
愛する人は他にいると言った夫が、私を離してくれません 最終回の結末予想
長い年月を隔てて、ついにメイナードはセラフィーナの正体に確信を持つ。契約結婚という形で始まった二人の関係は、当初はぎこちなくも、日々を重ねるごとに互いの内面を少しずつ知り、心の距離が縮まっていた。
ある日、メイナードは祖母のメアリ王太后の後押しもあって、セラフィーナに改めてプロポーズする決意を固める。過去の誓いを超えて、今この瞬間を大切にしたいという真っ直ぐな想いだ。
だが、その直前、政敵や貴族の圧力が二人の間に最後の試練をもたらす。セラフィーナの立場を利用した陰謀が動き出し、二人の絆を引き裂こうとする陰謀に巻き込まれてしまう。
メイナードは自身の才覚とセラフィーナの聡明さを活かして陰謀を暴き、真実を明らかに。二人は信頼と愛情で結ばれ、堂々と婚姻を公表することになる。
最終シーンは、晴れやかな結婚式の場面。かつて孤独だったメイナードは、セラフィーナと手を取り合い、これからの未来を共に歩む決意を新たにする。彼女はただの“契約相手”ではなく、彼の運命の人であることを全身で示し、物語は甘く幸せな余韻を残して幕を閉じる。
吉永
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