国民ボタンネタバレ27話
廃校の前には1台のトラックが停まり、中からハゲた男が野菜の入ったダンボールを抱えて降りてきた。出迎えてくれた女性たちによると男の名は勝敏であり、頻繁に野菜を差し入れてくれているらしい。そして野菜を手渡しながら女性の胸元を見ていることに女性も気づいていたが、それで野菜をくれるのならばそれでいいと全く気にしていなかった。
そんな光景を見ながら部屋の中から以前拉致された佐藤太郎はこの廃校で3ヶ月が過ぎたことを感じていた。未だにこの場所がどこなのか理解していなかったが、その日も扉がノックされて食事が運ばれてきた。そして神沼から電話が入り、明日セレモニーがあることを告げられ、佐藤は違和感を感じていたものの家族のことを考えて抵抗する気はなかった。
そしてセレモニー当日、神沼が壇上に上がり、インターンの終了を告げた。参加者の中には期間の終了を嘆く者、開放感を感じる者、様々な者たちがいた。しかし神沼は話し続け、今後も悪魔教の信者として”正義の活動”をしてほしいと告げると神沼コールが巻き起こった。
しかし全員が神沼に賛同するわけではなく、「悪魔教」というワードに恐怖感を感じたものの今抵抗するのは危険だと判断して黙る者もおり、中には着の身着のまま逃げ出すものもいた。それを見て神沼は追手を差し向け、体育館上に悪魔の写真をでかでかと掲げ、「悪魔は我々にプレゼントをくださいました・・・」「今、世界中の人類でわずか85名しか存在しない選ばれし人間・・・悪魔と人類をつなぐ触媒(カタリスト)!」と前置きして佐藤太郎を壇上に呼び寄せた。
太郎は打ち合わせどおりに「ボ・・・ボタンを我らに!」と連呼し、やがて会場全体で「ボタンを我らに!」という声が木霊すようになった。
一方で会場から逃げ出した男たちは道がわからず、山中で迷っていた。そして仕掛けられていたトラバサミにかかり、さらに奥から猟師らしき一団と出くわした。脱走者が助けを求めるが、猟師は猟銃を構えて男たちを殺害した・・・